最近注目されているパーパスブランディング。
リブランディングを行う際にパーパスを中心概念としてコンセプトを新たにするケースが多くなってきています。
今回はKANEBOブランドの事例を紹介します。
KANEBO|カネボウブランドとは
株式会社カネボウ化粧品の数あるブランドの中で、中心的存在であり、グローバルプレステージブランドと位置付けられるのが「KANEBO|カネボウ」です。
KANEBOブランドは2016年9月にローンチされました。
ちなみに株式会社カネボウは元々カネボウ株式会社から化粧品事業が切り離され、現在は花王株式会社の子会社となっています。
KANEBOリブランディングの理由
KANEBOがリブランディングに至った背景としては化粧品業界の大きな変化がある。
KANEBOは従来百貨店での対面販売が主流であった。しかし化粧品販売のチャネルとしてドラッグストアやオンラインショップが台頭してきた。化粧品業界でもDX(デジタルトランスフォーメーション)の波は大きく、オンライン化が非常に重要になった。
デジタルマーケティングなどでデータを収集し、そのデータをもとにインサイトを得て広告宣伝に生かすことで成長を目指すモデルに変わってきたのだ。
その中でアプリが重要な役割を果たす。これまでは店頭販売でお客様のデータなどを収集していたが、アプリ上での購入履歴や顧客の行動に関するデータを収集することができるようになってきたのだ。またコンテンツの配信やヒアリングなどカスタマーとのコミュニケーションの役割も担うことができるようになった。
この大きな変化の中、KANEBOブランドの特徴が弱く、個性が確立できていないという課題があった。それはカネボウ化粧品のコーポレートブランドイメージから脱却できていないことにも起因する。日本製であることでの高品質、親やすさなどのイメージはあったが、際立つ個性ではなかった。またスター商品をつくりあげることも課題であった。
そこでリブランディングにより個性の確立とシンボルとなる商品の創出を目指しリブランディングのプロジェクトを実行した。
パーパスを意識したリブランディング
2020年KANEBOはリブランディングを実施した。これはKANEBOブランドとしては初めての刷新だ。
リブランディングにあたり、ブランドパーパスを意識していた。そのパーパスとは「希望を語る」こと。これまでの主眼は美しさであったが、それぞれが希望を持つことで幸せな社会をつくっていくという思いだ。
美しさを提供するだけではなく、希望をテーマとしてメッセージを発信する化粧品へと変化したのだ。
新たなブランドタグラインは「I HOPE.」
リブランディングにあたり新たに「I HOPE.」というタグラインを設定した。
また以下のブランドステートメント(ブランドコンセプト)を掲げた。
見た目を美しくすることだけが、化粧だろうか。
違う。
化粧には、力がある。
気持ちを、行動を、人生までをも動かす
大きな力がある。
自分の未来は変えられる。
その自信が、 世界を変える熱量となる。
希望がないと言われる時代。
一人ひとりの中に希望を見つけ、引き出し、高めてゆく。
それが、 これからのわたしたちの使命。
KANEBOは、美ではなく希望を語るブランドへ。
I HOPE.
KANEBO
KANEBOのブランドコミュニケーション
リブランディングのリリース時のCMなどはブランドサイトやYouTube公式チャネルから削除されていますが、現在では「希望よ、動き出せ。」といったCMを展開しています。この動画コンテンツでもやはり時代に合わせた「希望」が中心的なメッセージとして掲げられています。
ブランドアクションとして変えること
今回のリブランディングにより、ブランドターゲットが変更となった。従来は30~40代の女性がメインであったが、20代以上全ての性別をターゲットとすることでエイジレス、ジェンダーレスを目指した。また広告制作においてキャスティングにおいても多様性のあるキャストを活用することでダイバーシティを意識している。
また製品パッケージは黒と白を効果的に活用することで希望を表現した。
またリブランディングに合わせてブランドを象徴する商品も発表した。まずは口紅やマルチペンシル、マルチクレヨン、アイカラーなどのポイントメイク商品を発表した。その後段階的にスキンケア商品も展開していった。
どこがKANEBOのリブランディングを担当した?
KANEBOのリブランディングにおいて株式会社朝日広告社という広告代理店が担当した。
これからのリブランディングの潮流
ブランドは調子が良かったとしてもいずれ様々な環境変化に応じてリブランディングを実施する必要がある。
今後のリブランディングにおいて、一つのキーとなるテーマはブランドパーパスだと考えられる。
商品力や一方的なコミュニケーションだけでは消費者に受け入れられなくなってきた時代背景がある。
これからはブランドが社会の中での存在意義を明確にして訴求するパーパスを意識したリブランディングが求められる。